コミュニケーションの基本(1)「良し悪しの判断をしない」

コミュニケーションの基本(1)「良し悪しの判断をしない」

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ヤマナオ式「コミュニケーションの基本」

私が考える「コミュニケーション」の最終的な理想像は、

「他者を動かすことができるよう、影響力を持つ」

ことになります。

そのために必要な思考回路と行動が、

「他者の悪いところに関心を持たず、良いところを見るようにして、自分が出来ることに集中し、信頼度を積み上げる」

2つ前の項目でも話しましたけどね。「他者のことはあまり気にせず、自分に集中をする」というのが基本になります。

で、今から説明をしていくのは「他者のことはあまり気にしない」というところが中心となりますかね。他者のことでの「心の動き」を少なくする考え方と言いますか。

私の経験上だとですね、これから説明することを順次取り入れて行くと、他者のことが気にならなくなるんですよ、マッタク(笑)。ただただ自分に集中することができる。

そして自分が人から認められるような行動や言動をしていれば、自然と影響力が出てきます。無理をして、他者の悪いところを見つけて、自分の正しさを主張して、なんてこと必要ありませんからね。

というか、人を気にしすぎる行動・言動は、自分の信頼度を落とす要因になりますのでね。その辺はまた順次説明をしていきますけれども。

では、まず考えてほしいことがあります。

「注意や指摘を受けた時、すんなり受け入れることができる人いませんか?」
「同じことを言われているのに、人によって自身の受け入れに違いはありませんか?」
「自分もこうなりたい、と目指すべき人間性を持った人はいませんか?」

ありますよね、あなたにゃ言われたくないよ~、という人。逆に、この人の言うことなら信頼できる、という人。人に影響力を与えちゃう人ですね。

「自分はそんな人間になれっこない」

なんて思わないで下さいね。ちょっとした思考転換と、毎日のコツコツ積み上げで、人に影響を与えられるようになりますからね。

ではでは、コミュニケーションの基本をより詳しくお話していきますね。段階別に。介護の仕事に限らず、あらゆる人間関係で使えると思います。

「考え方・価値観の違い」を受け入れましょ、というか良し悪しの判断をやめちゃいましょ

「介護の仕事は私生活の場で行われるサービスだから、人間関係が難しい」
「人に『違い』があるのは当たり前」

なーんてことを既に話しております。でも、この考えが非常に重要なので、再度念押し。

多様な考え方・価値観の受け入れ、まずこれを意識していかないと、今から長々と話す(笑)ことが「苦」につながってしまいますので(笑)。

この「違う価値観を受け入れる」というのができない人、本当に多い。受け入れるといっても、自分の考えを曲げるとかではなくて、スルーでいいんですよ。

でも、「あれが違う」「あの考え方はない」「あの人は間違っている」「あり得ない」ウンヌンカンヌン…まあ、他者を評価したがる人多し(笑)。

勝ち負け・優劣・常識非常識、そんなことを決めるのはやめましょう。

これはですね、裏を返すと「自分が正しい」ということを他者に認めてほしい欲求なんですけどね。で、人間の苦悩は、この「承認欲求」によるところが大きいんです。他者に認めてほしいから、自分の主張をする、という本能がクセモノなんですよね。

受け入れる、という言葉をちょっと違う表現をしてみましょう。

「良し悪しの判断をしない」

多様な考え方・価値観を受け入れる=良し悪しを判断しない、という言葉で表現できます。

良し悪しの判断グセがあると、今から説明する「反応を選択する」とか「悪口を言わない」とか「共感」とか「否定しない」とか「褒める」とか…いや、良く考えたらコミュニケーションのすべてに影響が出てくる(笑)。

といいますか、ムリをして「悪口言わない」「共感する」「否定しない」「褒める」ということ自体が自分を苦しめる。ムリをしているからボロが出てきてしまうこともありますからね。

逆に、「違い」を受け入れて、良し悪しの判断もしない、ということが習慣化されれば、あとが非常に楽ですね。無理をしなくてもメンタルが安定し、人間関係も改善されていきます。これ本当。

例えばですね、悪口に焦点を当ててみましょう。「悪口はよくない」って良く聞きませんか?。悪口は良くないからやめましょー、ってね。

ほとんどの人が理解はしているんじゃないですかね?「悪口は良くない」って。

でもなくならない。

だって、私生活の場なので「価値観の違い」が溢れているから。

私も実際働いたところで、こういった類のルールを作っている組織もあるんですよね。ですが、この類のことを文化にしたいのであれば、根本の考え方を教えていく必要があります。

私はまず、

「介護は私生活の場での仕事」
「価値観は多種多様」
「違いがあって当たり前」
「人を評価しない」
「良し悪しの判断をしない」
「反応の選択は自分次第」

というところを伝えるのが先決だと思うんですよね、悪口撲滅を訴える前に。

で、「悪口やめましょう」と言っている管理職や経営者の人も、案外「違い」を受け入れてない時が多い。人や人の行動・言動に良し悪し判断をして、愚痴を言っている人も多いですよ、管理職・経営者でも。

感情に振り回されている人いますし。

上の立場の人はですね、冷静に「違い」を受け入れて、修正・改善していくことが経営者や管理職の仕事。組織を「あるべき姿」に持っていくことが仕事……、まあ、この辺は「組織運営編」でじっくりと。組織づくりでも非常に重要な考え方なので。

悪口をなくしていくには、まずは「違い」があって当たり前なんだよ、というのを知っておかないとダメな話だし、その上で「良し悪しを判断するのは、承認欲求という自分を苦しめるものなんだよ」というのを理解していないとダメ。……だと思う(笑)。

色々と言ってもわかりにくいかもしれないので、介護の場面を使って少し話を展開してみます。

例えばですね、食事介助。

スプーンを口元に近づけても、なかなか口が開かない方がいるとします。全て食べ終わるには30分の日もあれば、1時間を超える日もある。

その時にいくつかの考え方・価値観がありますけどね、ここでは2つほど例を挙げます。

「長く座っていると本人も苦痛」

「栄養摂取は大事」

相反してますねぇ。ちなみに私は「人生の後半の後半、無理はしなくてもいいんじゃない」派なので、一定時間以上かかる場合は食事介助を切り上げて、早めにベッドに寝かせてあげたいクチ。

自分の考え方・価値観と相反する場合に良し悪しの判断をしたくなります、人の本能と言ってもいいかもしれない。相反する行動をした人を非難したくなる。間違いだと主張したくなる。

でも、判断しない、という選択もアリなんですよね。

まあ、方針が決まっていて、例えば「食事は30分くらいにして、食べきれなくても少ししたら横になってもらう」ということを決めていた場合にですね、1時間も食事介助をしている職員に「切り上げましょうか」と指摘をする、というのはアリですよ。

あとはケアマネジャーに伝えて、家族と話し合いをする場を設定してもらうとかですね、考えることは。

ただ、自分の価値観で判断をして、主張をする、というのは控えた方が良い。この例でいえば、正解は本人と家族が「どうしたいか」なので。

まあ、色々と考えると難しいので、一言、

「良し悪しの判断をするのはやめちゃいましょ」(笑)

違いを受け入れる、とかいうと疲れちゃいますので、良し悪しの判断をするのをやめる。判断するのをやめると、受け入れができるようになります。コミュニケーションを良好にするために、これが一番最初にすべきことです。

違いがあれば、しかるべき人に判断をしてもらいましょ。良し悪しをつけるから、受け入れられなくなるのです。

私の心のつぶやきで、一番多いのが、

「こんな考え方もあるのね」

という言葉。この心の声をクセにすると、自然と判断をしなくなりますよ。

で、この考え方とつながってくるのが、「感情のコントロール」と「悪口を言わない」というところなんですよね。

判断をやめる、からの「感情をコントロールする」と「悪口を言わない」。この3点がまず初めに意識してほしいこと、コミュニケーションの土台と言ってもいいことですので、関連する2つの項目を詳しくお話していきます。

ここまでのポイント
  • 理想と現実に差がある時、心が揺れ動く(喜怒哀楽)。
  • メンタルを安定させるために その1「理想を落とす」。
  • 介護の仕事の給料は「低いけど安定している」。これをどう受け止めるか。
  • 「介護の仕事は私生活の場で行われるので、関わる人達のマイルールがぶつかりあう。」人間関係が難しくなるのは当たり前のこと。
  • 「人によって違いがあるのは当たり前、特に私生活の場では当たり前の当たり前。他者に期待しない。」
  • メンタルを安定させるために その2「現実を上げる」
  • 「他者や世間一般は気にしないで自分を見つめる」。自分がしたいことを目指して、1日15分でいいからコツコツ積み上げる。継続できる方法を探す。
  • 過去の出来事に不平不満や愚痴を言うのではなく、「解決する課題」として捉える。「今からどうしようかね」を口グセに。
  • 「違い」に対して、良し悪しの判断をするのをやめる。そうすると「違い」を受け入れられるようになる。

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