コミュニケーションの基本(2)「感情のコントロール」

コミュニケーションの基本(2)「感情のコントロール」

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反応の仕方は選択できる「感情のコントロール」

目の前で起こる出来事に対しての受け止め方については、前の項目で話しましたけどね。この項目では「反応」について焦点を当てます。

結論は 「目の前で起こる出来事に対する反応は、自分で選択をすることができる」 というところ。良し悪しを判断しない、というところにも似ていますけどね(笑)。

「違い」に遭遇したとき、の心の反応は…

①「違いにイライラする」
②「違うんじゃないか、と直接言う」
③「あれ違うよね、と同僚に陰口を言う」
④「しかるべき人に判断してもらう」
⑤「何も思わない」
⑥「スルー」

なんて選択肢がありますね。これ以外もあるとは思いますが。まあその辺はよしとして。どの選択をするのが良いでしょうね。

私は④⑤⑥を選択します、大体。ちょっとひどいね、と思えば④ですし。組織によっては、自分の影響力によっては⑤⑥ですし。①②③の選択はほぼなし。

ちょっと話はズレますけど、正義感について。正義感ある人は①②の行動をとってしまう場合多いんです。かくいう私もそうでした。今でも、強烈な人格侵害があった時は、稀に①②をしてしまいますけど(笑)。 ③は全くしなくなったなぁ~。

私のハナシは置いといて(笑)。

人を変えていく、組織を変えていく、というのは正義感だけで動いてしまうと、職員と連携が取れなくなって、かえって「入居者さんや利用者さん」のためにならなくなることが多いんです。

例えばですね、すごく志が高く、知識量も多い。社会福祉士さんなんかは多いかな…、こういったタイプ。そのタイプの人は、正義感から他者を修正したがるんですね。

ずーっと前に例えバナシをしたオツボネ管理職さんと同じような感じになるか。

でも、信頼関係が作られる前に、自分の影響力が小さい時に、他者修正に走ってしまうと、「また言ってる」とか「頭でっかち」とか言われてしまうんですよね。

二つのパターンで説明しますね。「その人」は志も高くて、正義感があって、優しくて、知識量も豊富で、仕事もできる。総じて「理想が高い」人だと思っていただければ。

1つ目のパターンは、「知識豊富」と「仕事ができる」ということが認知される前に修正に走るパターン。又は知識量をひけらかすパターン。

2つ目のパターンは、「知識豊富」と「仕事ができる」ということが認知されるのを待つパターン。

自分の理想を人に伝えやすくなるのはどっちでしょう?

後者なんですよね。まあ、他者の目も気にならない強メンタル、矛盾のない行動・言動、信頼される人間性などあれば、強引に持っていける人もいますけどね。私はあんまりお勧めしません。

そして、ここは「影響を与えるコミュニケーション」の初期段階なので、いきなりハードルを上げるのはやめましょう。

やっぱり、じっと我慢して、自分ができることに集中して、他者から「おおっ」と思われる仕事をして、信頼をされてから、しかるべきポジションについてから、自分の志と正義感と知識を出していったほうがいい。

これが私の「正義感の出し方」についての結論。

具体的な例を一つ出しますね、私の経験から。

経験も豊富で、知識もある人のハナシ。

Aさん(仮)は新しい職場に就職しました。Aさんはは感情のコントロールがあまり上手ではない人です。経験や知識はアリ。

経験も知識もあるので、他者を修正したい気持ちが強いんですよね。で、まだ信頼関係が成り立っていない状況で、感情をこめて修正をしてしまうんです。

目の前で起こる、自分と違った価値観に対しですね。

で、言っていることは間違っていないんです。

でも、多くの人がその人の言うことに反発する、聞き流す、悪口を言う、という状況に。

そのAさんは自分の価値観・正義感を持って、他者を修正したいんですけど、結局は修正できていない。

正義感がある人は、結構この状況に陥りやすいと思うんです。何が正解か、というのもないんですけどね。

でも、やり方としては少し遠回りですけど、違う価値観の言動・行動に一喜一憂するのではなく、まずは周りから信頼されることが大事だと思うワケです。

で、前述のAさんの状況から盛り返せる人も中にはいますけど、ごく少数。メンタルを崩してしまう、その職場を去る、という結果になる人が多い、と思います。

結局は他者を修正できないので、遠回りの方法がいいと思うんですよ。

「入居者さんのため」「利用者さんのため」

という正義は非常に大切なことなんです。でも修正できなければ意味がない。我慢ならないことでも一旦は飲み込んで、信頼されるだけの仕事をして、周りから認められて、自分の影響力を強める。

他者の修正はそこからです。

目の前で起こる出来事への対応というのは、その時の人間関係などの状況によって変わってきます。

でも大事なのは、「どの反応が最適なのか考える猶予を作る」というところなんですよね。

時には強い口調で主張することが最適な時もありますし。

信頼関係を作ってからの冷静な指摘、が最適な時もありますし。

それはもう、状況判断としか言いようがないんですけどね。

そのためには感情のコントロールが必要。

一旦は飲み込んで、どの対応が適切かを考える。

「怒り」「嘆き」「イライラ」といった感情表出は、今するべきなのか?他にも選択肢はあるのではないか。と考える。自分の感情を客観視する、といいますか。そうすると感情のコントロールができるようになります。

例として職員間の人間関係を書きましたけど、職員と入居者・その家族等、仕事に限らずプライベートでも。どの人間関係でも言えることです。

後半部分で詳しく説明しますけどね、良し悪しの判断をしない、反応を選択し、自分の価値観とは違う「嫌」な部分は切り離して「人」を見る。嫌なところだけで「その人全体」を判断しない。

そうすると悪口にもつながらないし、良いところも見えてくる。共有できる「関心事」を見つけ、信頼関係を作っていく。

で、自分は正しい行動・言動を心がける。

まあ、何が「正しい行動・言動」か、というのも組織や評価する人によって変わるんですけどね。その辺を見極めることも必要ですかね。

そうすると不思議なもので、他者から「認められる」状況になるんですよね。ならない場合もありますが(笑)。

他者から認められる状況になると、自分の意見も通りやすくなります。

先ほど言ったことですが、いきなり自分の価値観・正義感を出して、他者を修正しようと試みて信頼関係を壊すよりも、「信頼関係を作ってから」の方が、より短い時間で意見を通しやすくできると私は思っています。

私は高齢者介護の仕事をしていますが、職員や入居者どちらでも、この対応を心がけます。

人間関係は「急がば回れ」。自分の感情の揺れを客観視する、反応を選択する、とともに信頼関係づくりをしていく。

それともう一つ、これは「心の持ちよう」のテクニック?コツ?的なところなんですけどね。ちょっと前に話したか。でも大事なところなのでもう一回。

「違い」を「課題」に変換すると前向きな気持ちになります。「ストレス・心の揺れ」というのは理想と現実の差から発生するというのはご理解いただいていると思います。

で、「問題」というのも理想と現実の差から生まれるんですよね。問題というのは解決すべきことなんですよ。で、感情の揺れを感じた時の心のつぶやきは、

「どうやって解決していこう」

と変換することができます。何でも変換できますよ。問題を課題に変換すると、「希望」に変わります。

「違い」を見つけて、心が揺れたとしましょう。その違いを解決していくにはどうするか?、と考えるようにします。

人から注意を受けたとしましょう。問題提起されて、解決すべき課題が見つかった、と考えるようにします。

新人さんが中々仕事を覚えてくれないとしましょう。どうやったら覚えてくれるか?と課題にして自分の指導の仕方を考えてみましょう。

この考え方は、私自身大いに役に立ってます。頭の中を強引に冷静にさせてしまうといいますか。理想と現実の差を見つけた時に、問題を課題に変換する。是非試してみてください。

この辺でこの項目を終わりますが、次に言いたいのは「悪口」に関してなんですよね。でも、ちょっとその前に、「切り取り理論」というのをお話しておきます。

「良し悪しの判断しない」「反応を選択する」「問題を課題に変換する」これにプラスして「悪いところを切り取る」、この思考を持つことで「悪口」を言う必要もなくなるんですよね。

前述しましたが、ただ単に「悪口は良くないから、やめときましょ」と言っても、我慢している状況だったら継続できないんですよね。

頭の中を少し変えると、自然と人の悪いところを言わなくなるといいますか。私は今そんな状況なんですよね。

ということで、次は「切り取り理論」。

ここまでのポイント
  • 理想と現実に差がある時、心が揺れ動く(喜怒哀楽)。
  • メンタルを安定させるために その1「理想を落とす」。
  • 介護の仕事の給料は「低いけど安定している」。これをどう受け止めるか。
  • 「介護の仕事は私生活の場で行われるので、関わる人達のマイルールがぶつかりあう。」人間関係が難しくなるのは当たり前のこと。
  • 「人によって違いがあるのは当たり前、特に私生活の場では当たり前の当たり前。他者に期待しない。」
  • メンタルを安定させるために その2「現実を上げる」
  • 「他者や世間一般は気にしないで自分を見つめる」。自分がしたいことを目指して、1日15分でいいからコツコツ積み上げる。継続できる方法を探す。
  • 過去の出来事に不平不満や愚痴を言うのではなく、「解決する課題」として捉える。「今からどうしようかね」を口グセに。
  • 「違い」に対して、良し悪しの判断をするのをやめる。そうすると「違い」を受け入れられるようになる。
  • 目の前で起こる出来事の「反応」は自分で選択することができる。状況を一旦飲み込み、冷静に「適切な反応」を選択する。
  • 「問題」を「解決すべき課題」に変換して考えると、頭の中が冷静になる。

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